売り手理論の研修はしない。

社内でやっているデジタルPRプランナー講座の修了課題の採点が終わりました。
あとは全社報告会をもって、この講座の第3期はすべて終了ということになります。
 
この講座は社内のデジタルPRプランニングの基礎力をあげるという目的ではじまりました。デジタルPRプランニングというとかなりぼんやりしていますが、実際の中身は、ウェブを中心とするデジタルコミュニケーション領域におけるコミュニケーション作法のようなものや、そこで支持されやすい、またはそうでない文脈が何であるかの習得というパートと、PRプランニング技術の習得のパートから成っています。
 
が、実際のところ、特に前半のデジタルコミュニケーション領域における作法や感覚については、従来の講義やワークショップのような手法で十分に身につけることはできないため、 「自分がわかっていないことに気づく」「どこがどうわからないのかに気づく」ことを目指す作業になります。
 
僕のいる会社はかなり大きなPR会社で、歴史もあり、デジタルコミュニケーション登場以前のPRに関する知見はかなり蓄積されています。
であるがゆえに 、デジタルコミュニケーション領域でのコミュニケーション作法や好まれやすい文脈も蓄積された知見の中で解釈しようという考えが根強くあります。
その結果、社内でデジタルPRについて、感覚レベルで習得している社員はごく少数で、多くが「わからないことがわからない」人か「わからないことだけはわかる」人という状況がうまれてしまっています(あと当然のことながら 「わかったつもりでいる」という人もそりゃいます(笑)。そりゃいますよ。)
 
この講座では、というよりも、世の中にある殆どの研修は、そういう状態にある人を「なにがわからないかはわかる」レベルに引き上げるということしかできないと思っています。そしてその前提のもと、そのとき受講者に足りない、 必要なことを順次潰していくという方法をとっています。
このやり方は研修プログラムをまわす方にとっては結構面倒くさいのですが、理想を言えばすべての社内研修はこうあったほうが良いと思っています。

言ってみれば、売り手理論の研修はしないということでしょうか。
もちろん、研修には目的があってしかるべきですし、目的に向かってプログラムを積み上げていくという作業は変わらないのですが、受講者がプログラムのレベルに合わせるべき、みたいなのは違うと思っています。

外部に広く開かれた研修の中には、全体最適を鑑み、このような考えで行われるのが仕方ないという場合もあると思います。
ただスモールグループの講座や社内研修の場合は、大まかな方向性を目的と定めながら、受講者のそのときの課題を解決していく柔軟なプログラムの組み方を行うべきでしょう。
私自身も経験があるのですが、プログラムの詳細のほうが先に決まっているタイプの研修で成果を出すのは結構難しいです。

第3期のこの講座の中では「押し付けではなく受け手の環境や事情を考えるべき」というのを何度か扱ったのですが、これはこの講座そのものが大切にしている思想だったりします。
 

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